●36ヶ月前後~就学前のモンテッソーリ教育●

 モンテッソーリ教育の現場では、子供達それぞれの発達の段階の課題を背景として五つの分野が環境として構成されます。

 「運動の敏感性」が強く出てきている子どもの活動の対象として、『日常生活の練習』という分野。「感覚の敏感性」が強く出てきている子どもの活動の対象は『感覚教育』。「言語の敏感性」には『言語教育』、「数の敏感性」には『算数教育』、そして、それ以外の様々な興味に対して『文化教育』が環境として準備されています。

 それぞれの分野の背景には、必ず子ども自信が発達を遂げるための課題があります。そしてその課題を獲得していくために強い感受性、敏感性が出現します。この時期のことを「敏感期」といいます。この「敏感期」が子どもには存在する為、押しつけたり、強制しなくても、子どもの側からの自発的活動が現れてくるのです。各分野には、子どもが手を用いて関わる用具や教具とよばれる教材類が豊富に整えられており、これらの教材類が環境に大きな割合を占めます。

 ただし、これらの五分野全体の環境は意識が芽生え出す3~6歳の段階の活動領域であり、無意識に環境を吸収する0~3歳の段階では文字が出てくる以降の『言語教育』や『算数教育』『文化教育』の領域の環境は特には必要ありません。

 当園では、モンテッソーリ教具や補助教材、音楽や美術の環境を思う存分自由に使いそれぞれが選んだ好きな活動をしています。特に製作の時間では、さまざまな廃材を利用し、道具を使って自由に表現しています。

 保育士は、子どもたちのやりたい気持ちを大切にし個々の興味関心に対応できるよう環境を整えています。

●36ヶ月~就学前の敏感期と発達の課題●

運動に対する敏感期

日常生活の練習

感覚に対する敏感期

感覚教育

言葉に対する敏感期

言葉に対する敏感期

言語教育

数に対する敏感期

算数教育

その他の事象への興味

文化教育

 

日常生活の練習

日常生活の活動は、生活そのものにあります。子どもはこの活動を通して生活に使う用具の使い方を知ります。毎日いろいろな用具を使って繰り返し活動する中で、生活そのものの感覚体験を通し、粗大・微細運動の獲得と洗練、言語の発達、秩序感、集中力、意思力を養っていきます。また失敗しても後始末の方法を学び、克服しながら一人の人間として自己構築をしていきます。日常生活の練習には以下の5つの項目があります。

 

 運動の獲得(粗大運動・微細運動)
 自己への配慮(身だしなみ、生活習慣の確立。身辺自立への準備)
 環境への配慮(生活に必要なお仕事、掃除、洗濯、植物の世話等)
 社交的な振る舞い(マナーやエチケット、挨拶、等、日常の中で他者と関る全ての活動)
 食事(食事の準備、片づけ、おやつ作り等)

葉を拭く
葉を拭く
砂場容器を洗う
砂場容器を洗う
雑巾をかける
雑巾をかける
雑草を抜く
雑草を抜く
植物の水やり(1歳児)
植物の水やり(1歳児)
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感覚教育

0歳~3歳までの子どもには、『吸収する精神』という力があり、すべての環境因子からの刺激や情報を無意識に吸収し蓄積していきます。この時期に吸収された感覚印象は、感覚器官が未熟なため、まだ、正確に情報を取り入れる事ができずに、混沌とした状態で蓄積されていきます。しかし、無意識にではあっても、子どもは、正確な情報を捉える事が出来るように、より精巧な感覚器官を形成しようと敏感に刺激に反応しています。そのような人間作りの基盤である乳児期から幼児期にかけて、すべての知的活動の基礎となる感覚器官の洗練を援助し、さらに知性の発達を支援する場が感覚教育として位置づけられています。ここでは以下の3つを目標として活動が設定されています。

 

 感覚器官の洗練(感覚器官をよりよく洗練できるように援助する)
 感覚体験の整理(『吸収する精神』でため込んだ様々な感覚体験をより良く整理し、概念のレベルまで高めていけるように援助する。大きさ・高さ・長さ・形・色・温度・等の概念形成)
 物を考える方法の獲得(知性の芽生えの時期に、物を比較することから始めて、法則的なものの見方や考え方や観察力を獲得する過程を援助する。)

目と手の協応動作と狭いところでの操作と視覚による色や形の認識3
目と手の協応動作と狭いところでの操作と視覚による色や形の認識3
目と手の協応動作と狭いところでの操作と視覚による色や形の認識2
目と手の協応動作と狭いところでの操作と視覚による色や形の認識2
目と手の協応動作と狭いところでの操作と視覚による色や形の認識1
目と手の協応動作と狭いところでの操作と視覚による色や形の認識1
素材の違う板(触覚)
素材の違う板(触覚)
教具を目で見て、持って、大きさや重さを経験する事で数値以前の量の経験をする。3
教具を目で見て、持って、大きさや重さを経験する事で数値以前の量の経験をする。3
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言語教育

基本的な信頼関係の構築がされ、規則正しい生活と適度な運動の獲得をしながら、豊かな経験と体験を通して感覚器官を洗練し、脳の成長と共に知性が芽生え、『心』と『からだ』の発達に支えられて、3歳までの子ども達は、『吸収する精神』によって、環境の中にある言葉を無意識に吸収し、母国語を獲得していきます。どんなに小さな赤ちゃんでも、いつも適切な言葉がけをされながら、感覚的教育を土台としてたくさんの本物に触れる体験を通して言葉の概念の整理をしていきます。大人は子どもの気持ちに寄り添いながら、時には子どもの思いを代弁し、最後まで、ゆっくりと子どもの話を受け止めていきます。大人が話しことばのモデルとなり『楽しい言葉』『豊かな言葉』を交わし合い、子どもの話し言葉への意欲を高めながら、『楽しい心』『豊かな心』を育みます。それぞれのお子さんの話し言葉の発達段階に合わせて以下のような環境を準備しています。

低年齢児の言語活動の最初は日常よく見かける感覚器官を刺激する本物(具体物)で行う4
低年齢児の言語活動の最初は日常よく見かける感覚器官を刺激する本物(具体物)で行う4
低年齢児の言語活動の最初は日常よく見かける感覚器官を刺激する本物(具体物)で行う3
低年齢児の言語活動の最初は日常よく見かける感覚器官を刺激する本物(具体物)で行う3
低年齢児の言語活動の最初は日常よく見かける感覚器官を刺激する本物(具体物)で行う2
低年齢児の言語活動の最初は日常よく見かける感覚器官を刺激する本物(具体物)で行う2
低年齢児の言語活動の最初は日常よく見かける感覚器官を刺激する本物(具体物)で行う1
低年齢児の言語活動の最初は日常よく見かける感覚器官を刺激する本物(具体物)で行う1
次第に抽象化したカードや絵本で意味を理解するようになる2
次第に抽象化したカードや絵本で意味を理解するようになる2
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算数教育

秩序感のある整えられた環境の中で日常生活の活動、感覚的教育、言語的教育、文化的教育に触れ、ありとあらゆる興味関心を体験しながら、子どもは生まれながらにしてプログラムされている数学的精神に基づき、規則性や法則性に気付き、論理的思考や因果関係の理解を深めながら、認知を発達させていきます。

大きな数の概念,十進法を理解する
大きな数の概念,十進法を理解する
数字の序列を知り奇数と偶数を知る
数字の序列を知り奇数と偶数を知る
算数棒と数字カードで量・数字・数詞の一致十進法の理解の準備 
算数棒と数字カードで量・数字・数詞の一致十進法の理解の準備 
1~99までの連続した数字の量と数字と数詞の関係を理解する
1~99までの連続した数字の量と数字と数詞の関係を理解する
0~9迄の量と数詞と数字の関係と0の概念の理解
0~9迄の量と数詞と数字の関係と0の概念の理解
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文化教育

子どもが内面に持っている何かを表現しようとする手段の場として美術活動を展開していけるように環境を提供しながら、子どもが物を作りだす『過程』を大切にしていきます。

子どもがもって生まれてきた音楽に対する可能性を実現するために、歌や楽器やリズムが楽しく体験できる環境を提供していきます。

平成27年度5月から、週2回の活動として、バイリンガル教育が始まりました。日本語以外の母国語を話す留学生との交流を通して、子どもたちはことばの違いや文化の違いを体験していきます。たくさんの『違い』を感じ、たくさんの『違い』を知り、やがては『違い』を受け入れられるようになることで、本当の意味での平和的思想を育んでいきます。

芸術館パイプオルガン
芸術館パイプオルガン
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